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NFL Week 15 トピックス

Week 15 の印象に残ったゲーム

IND(4-9-1)36 @ MIN(11-3)39

好調の MIN バイキングスと不調の IND コルツの対戦。にも拘らず前半は35対0と IND ペースの展開。5スコアゲームは通常は控えQBを投入しても逃げ切れる点差です。ところが後半、 MIN が追い上げ オーバータイム(延長)に突入。残り3秒で MIN の FG が決まって逆転勝利しました。

普通はありえない展開ですが、IND の前半3回の TD、4回の FG の中身を見ると納得できます。TD は、パントブロック・リターンTD、ファンブルリカバー・リターンTD、インターセプト・リターンTD で、いずれもディフェンスやスペシャルチームが挙げたもの。FG のうち2回も MIN が自陣深い場所から行った4thダウン・ギャンブル(完全に IND を舐めてかかっています)が失敗し、テイクオーバーしたものの TD に繋げられず、FG に終わったものです。バイキングスは4Q に立て続けに3TD を挙げ、2ポイント・コンバージョンにも成功して同点に持ち込み、OT で逆転しました。

力の差と言えばそれまでですが、IND#2QBマット・ライアンの衰えによる攻撃力不足が顕著です。ATLファルコンズで14年間スタートQBを務め、2016年にはスーパーボウルにも進出した当時(この年に私は、デンバーで彼のプレーを生で見ています)の面影はありません。

 

DAL(10-4)34 @ JAX(6-8)40

ベテランQB DAL#4ダク・プレスコットと2年目の若手QB JAX#16トレバー・ローレンスの対決。Week 12でも触れたとおり、昨年は不甲斐ないルーキーイヤーとなったトレバー・ローレンスに今季は注目していましたが、金星を挙げました。

前半は DAL がリードする展開でこのまま終わるかと思いましたが、後半、ローレンスが立て続けに3本のタッチダウンパスを決め4Qに逆転、一度は再逆転を許しますが4Q終了同時のFGで同点に追いつきます。そしてOTのインターセプトリターンTDに繋げ、勝利をものにしました。

昨年、ドラフト全体1位指名で JAX 入りしたトレバー・ローレンスですが、2021年は全17試合に出場したものの3勝14敗と散々な結果に終わりました。ロングヘアーのチャラいスタイルもあってどことなく線が細い印象が拭えませんでした。しかし、今年はプレーに落ち着きが出てきて、パスの精度も向上、QBレイティングは昨年の71.9から今年は96.6まで改善し、パスヤーデージ8位と奮闘しています。ヒリヒリするようなこのゲームに勝利したことで、現地メディアも「JAXは彼のチームになった」と評価しています。

 

NE(7-7)24 @ LV(6-8)30

プレーオフ進出の可能性が少なくなったチーム同士のいわば消化試合。試合内容は別として、このドラマチックな結末は、この先長い間、テレビやネットで繰り返し放映されるのではないでしょうか。

4Q残り32秒でLV がTDを決め同点に追いつきます。そしてその後の残り3秒、3rdダウン10 @NE 45yd。FGでは届かない距離なので、通常はこのまま時計を流しOTに持ち込むのが定石です。しかし、NEは最後のプレーでTDを狙いにいきます。つまり、ラグビーのように果敢にバックワードパスを繋いでフィールドを縦横無尽に駆け回り、TDの機会を伺います。NFLではリスクに挑戦しない者は臆病者と軽蔑される雰囲気があります。このプレーは滅多に成功することはありませんが、HCビル・ベリチクの頭の中には半分以上、悪くてもOTという計算があったと思います。ところが、そのバックパスをLV#55DEチャンドラー・ジョーンズが上手い具合にインターセプト、そのままリターンしてTD。思わぬ勝ちが転がり込んできました。私も初めて見る劇的な結末、いつまでも記憶に残ると思います。